未曾有の世界不況と言われる中、去る1月9日(金曜日)から11日(日曜日)まで、恒例の「東京オートサロン」が千葉幕張で開催された。事務局から発表された入場者数は3日間累計で、229,201人(前年比91.9%)と二万人弱が減少した結果であった。入場者の減少は、不況のせいだろうか、天候(初日が冷たい雨)のせいだろうか。
また、展示されたクルマ、商品等は各種手段で詳細に報じられているので、ここでは違った視点で「東京オートサロン」をみてみたい。
今回はインポートカーを中心として北館も使用しての「インポートオートサロン」も初めて併催となったが、この不況下突然の出展中止を決めたところもあったようで、通路が突然広くなっていたり、空地があったり、館内の休憩コーナーが多くなっていたりと、やはり不景気の影響は否めない状況であったと思う。
同時期に米国デトロイトで開催された北米国際自動車ショー(通称、デトロイト・モーターショー)でも、日産、三菱、スズキが出展を取り止めたとの報道であったから、致し方無いのであろう。
北米のショーは自動車ショーであり、ビッグ3の生き残りアピールを含め、EVの目白押しであったようであるが、当地「東京オートサロン」は世界三大カスタマイズ・ショー(因みに後の2つは、米国SEMAショー、ドイツのESSENモーターショーである。)と、言われるだけあって、館内には例年と変わらぬカスタマイズ・カーが、ところ狭しと展示され、多少の入場者減少はありながらも訪れた人の熱気に包まれていた。
その内容は色々で、ミニバン、VIP、スポーツ。例年、前年発売された話題のクルマが各メーカーのアイデアのもとにカスタマイズされて展示される。例えば、昨年であればGT-Rが目玉であった。であればスポーツで「New
Z」と、いったところであろうが、昨今の環境志向を反映してかトヨタが満を期して昨年末に発売した「iQ」の展示が目立ったところであるし、個人的にはPUNTOをベースにABARTH(アバルト)の発表も象徴的な事であった。つまり、カスタマイズには超弩級のスポーツカーも有り、家族グルマと言われるミニバン有り、バリバリのVIP有り、はたまた今回のように小さなクルマも有りで、千差万別、十人十色のユーザー志向には色々あって良いと思うのである。
小さいと言えば、日本特有のKカーには、なかなかのカスタマイズユーザーが多かったのであるが、コンパクト系にはあまり多くなかった、というのがこの業界であったから、環境志向、少し前までのガソリン高騰等、クルマを取り巻く環境の変化が、カスタマイズ市場にも影響を及ぼしてきたと思う。
ファッションも数え切れないほど色々ある。クルマの趣向も人それぞれに違うから、そのカスタマイズ趣向も色々あってこそ、カスタマイズ、ドレスアップの神髄であるし、世界三大カスタマイズショーと言われる所以だと思う。
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