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今シーズンのグランプリモーターレーシングは、タイヤ・エンジン・予選方法に関する新しいレギュレーションが適用され例年以上に熱い戦いが繰り広げられた。その中でENKEIはチームマクラーレンメルセデスへマグネシウム鍛造製レースホイール「ES−051」を供給。
チームマクラーレンメルセデスのドライバー、キミ・ライコネンは、まだ記憶にも新しい日本GPでの大逆転勝利を含め年間7勝を挙げドライバーズポイントランキング2位を獲得。ファンーパブロ・モントーヤはイギリスGPでの移籍後初勝利を含め年間3勝を挙げドライバーズポイントランキング4位を獲得。そしてコンストラクターズポイントでは2位を獲得し今シーズンを終了した。


 





そして、来シーズンに向けての準備は既に始まっている。留まることはイコール後退を意味するグランプリモーターレーシングの世界で「ホイール」はどの様な役割を果たして、何を期待されているのか?
チームマクラーレンメルセデス レースエンジニアリングのヘッド、スティーブ・ハレムへのインタビューでその全貌を明らかにして行こう。


Q:グランプリモーターレーシング用ホイールは年々剛性が上がり、軽量化が進んでいますが、ホイールの進化によってどのようなメリットがありますか?

A:レースカーの他の部品と同様、ホイールについても重量は最小限にしたいと思っていますが、同時に十分な剛性を確保させることによってバランスを取らなくてなりません。サスペンションに最大限の働きをさせる為には、ホイールの動きを正確にコントロールする事が必要です。剛性のあるホイールはこのプロセスに大きく貢献します。ENKEIとチームマクラーレンメルセデスの、長年に渡る重量軽減とホイールの剛性アップは、終わりのない性能の追求への挑戦です。
これが実際どのようにチーム毎に対応されているかと言えば、ドライバー、タイヤの消耗、性能等の多くの要素によって決定されています。

Q:ホイールデザインの進化はどのように進められていますか?

A:デザインの進化については以下の2つの点から検討が進められます。
バーチャルテスト:FEM解析を使用し、ホイールを特定の荷重の下で分析をします。これはホイールのどの部分に荷重が掛かるのかを特定するのに大変役立ち、ホイールのデザインを、その設定された走行距離を走る疲労強度の限界まで持って行くことが可能となります。
材料: 材料とその製法についての研究・開発は常に検討が重ねられています。全てのENKEIのグランプリモーターレーシング用ホイールは鍛造品ですが、これは10年前では考えられなかった事です。これについてのリサーチは常に進められており、新たな合金は継続的に調査されています。

Q:グランプリモーターレーシング用ホイールでは軽量と剛性はどのように重要ですか?

A:私の先程の回答はこの点についてもカバーしています。軽量と剛性は両方とも重要な検討点で、正しいバランスを取ることが全てです。バネ下重量を軽減する為、軽いホイールへと向かう要求は間違いなくあります。ホイールの軽量化はチームマクラーレンメルセデスのグランプリモーターレーシングカーのハンドリングについては助かりますが、軽量化だけが重要事項ではないのです。その証拠として、新たな車両が毎年発表され性能が上がって(レギュレーションでの様々な規制によりラップタイムは落ちて)いますが、その中で実はホイールの重量は変わっていない点については、お話しておいた方が良いですね。その理由は簡単です、高い荷重への対応と高い加速性能は、より効率的にパワーを路面に伝える事が出来る剛性の高いホイールにより達成出来るものだからです。軽量化のみに主眼を置かれがちなホイールにとって、これは注目すべき点で、多くの人には知られていない点です。
重量増加について唯一妥協せざるを得ない点は安全面です。チームマクラーレンメルセデスでは、ENKEIのホイールに空気圧センサーを取り付け走行しています。これによりセンサーをサポートする為、重量の増加が必要となり、反対側でバランスを取っています。この数グラムの重量増で、ミシュランタイヤにパンクやダメージがあった場合の安全対策としています。

 





 

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